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CUES

きっかけにフォーカスするメディア「CUE NOTE」が誕生したきっかけとは

映像制作の最前線に立つチーム KASSEN が新たに立ち上げたメディア「CUENOTE(キューノート)」。
自主制作と商業制作の垣根を超えた“原点の共有”を目指して生まれたCUENOTEの裏側にある動機や衝動を、編集長である太田貴寛さんに伺いました。

───今回は、新しく立ち上げられた「きっかけ」にフォーカスするメディア、CUENOTEについてお伺いします。まずはこのCUENOTE、その着想や企画はどのように生まれたのでしょうか?

自分が映像業界に入ったころ、「ホワイトスクリーン」というサイトがありました。様々な映像作品が取り上げられ、作った作品や携わった作品がそこで取り上げられることが、一つのステータスとなっていたんです。ホワイトスクリーンは惜しまれつつも連載を終了してしまいましたが、いつか自分たちで同じような企画を立ち上げたいという思いをずっと持っていました。

───そうした中で、今回のメディア立ち上げに至ったと。

はい。自主制作と商業制作、どちらも本気で取り組んで一番を目指したいという思想が、自分自身や自分が立ち上げたKASSENの根底にはあります。これまでその両者を結びつけるアクションを色々と行ってきましたが、今回メディアを立ち上げるにあたってテーマとしたのが、「作品のきっかけ」です。

作品の規模が大きいか小さいかにかかわらず、その原点となる「きっかけ」の部分は、共通して「点」であると思ったんです。そこにフォーカスした企画は今までにないように思えましたし、様々な作品を取り扱えるので、良い着眼点かも、と思いました。

───既存のメディアや表現に対して、何か物足りなさを感じていた、という背景もあったのでしょうか。

特別に物足りなさを感じていたわけではないのですが、自分は常に「知らないことを知りたい」という好奇心があるんです。だから、どこでも簡単に手に入る情報にはあまり惹かれなくて。

作り手が自ら作品の「きっかけ」や「種明かし」を話すことは、どこかタブー視されているというか、自分から進んで話すのは“カッコ悪い”という空気が世間にはあるように感じます。特に自主制作の分野では、そうした裏話を自然に求められる場がそもそも少ないのが現状です。

だからこそ、そうした「きっかけ」を話せる場所を自分たちで作り上げた、という点には大きな意義があると思っています。

───CUENOTEを立ち上げることで、太田さんご自身にとって、どのような「きっかけ」や「学び」を得る場になると考えていましたか?

この企画をきっかけに、素晴らしい作品を作っている方に声をかけさせていただいて接点を持てること。そして、なかなか聞けない「きっかけ」を教えてもらえたら、自分自身のためになって嬉しいな、とも思っています。

───立ち上げ前に「これは面白いかも」と直感的に思ったポイントはありますか?

「自主制作で作られた作品をキュレーションする」ということは、既存のメディアではあまり行われてこなかったと感じてて、そこが面白さだと捉えています。

また、アウトプット自体は難解な作品であっても、実は制作のきっかけは非常にシンプルである場合があるんじゃないかと思っていて。

その「きっかけ」を知ることで、アウトプットの見え方や、解釈が変わるような言葉が引き出せたら、面白いなと思います。

───太田さんご自身が「読みたい」「見たい」と思うコンテンツ像、作品像はどんなものでしょうか?

作りたい気持ちが溢れている作品です。

───他のメディアと比べて、CUE NOTEならではの特徴はどこにあると感じていますか?

作っている最前線のチームが運営していることかなと思います。説得力がありますよね。


───最後に、太田さんご自身の映像制作のきっかけについて伺いたいです。

自分は制作進行からVFXのオンラインエディターを経て現在に至ります。

しかし、元々(そして今も)監督志望なんです。監督の観点を持ちながらも、様々な監督に監修されるという立場にいたため、それぞれの監督やスタッフの皆さんの思考プロセスや着眼点を盗み、学ぶ機会が非常に多くありました。

それが、今の自分の原点になっているのかもしれません。

───CUE NOTEの今後の展開も非常に楽しみです。最後に、何か読者の方に伝えたいことなどがあればお聞かせください。

手探りなので、今後の運営のために忌憚なきご意見をいただけますと幸いです!

インタビュー対象者

太田貴寛

太田貴寛

KASSEN CEO / VFX Supervisor / Director

株式会社KASSEN代表。日本大学芸術学部映画学科卒。CM制作会社での制作進行を経て、Flame Artistに転身。その後VFX Supervisorに。 制作部出身の知識とファシリテーションスキル、発想力とコミュニケーション能力を武器に、企画段階からスーパーバイザーとして参加することも多数。 VFXを得意とするDirectorとしても活動の幅を広げている。

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記事執筆者

oshino

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